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土佐の食1グランプリ制覇  シカドッグ物語

高知県香美市

       土佐の食1グランプリ制覇 シカドッグ物語


高知県南国市で2011年5月21日に開催された「第2回 土佐の食1グランプリ in 長宗我部フェス」。

ここに県内各地から、24品のB級グルメが結集した。

その中で見事グランプリに輝いたのは香美市べふ峡温泉の「シカドッグ」であった。

結果を聞き、喜ぶ出品者の「べふ峡温泉チーム」。
その目にうっすらと浮かぶ涙にはわけがあった。



話は3年ほど前までさかのぼる。

2009年春、高知県の山間部のまちでは鹿の食害が増え駆除を続けているが、この鹿肉を誰も食べてくれず困っているという報道があった。
高知山間部における鹿の食害は深刻で、鹿のために山が荒れ、海では昆布が採れなくなったという話もあるほどだった。

そんなシカに悩んでいた香美市。
鹿の駆除を進めているものの、鹿肉利用を進めなければ肉がありあまることになる。
そこで、鹿肉製品の利用を促進するため、食品の開発者を公募したのである。


これに応募したのが香北町に住む西村さんであった。

西村さんはニュージーランド滞在歴が10年あり、2009年に帰国したばかりだった。
ニュージーランドでは、鹿肉は最高級品、高級レストランで味わう特別なものだった。
レストランに勤務していた西村さんは、そのことをよく知っていたし、鹿肉のおいしさ、さらに調理にも携わった経験もあったのだ。

(財)奥物部開発公社「べふ峡温泉」の鹿肉の開発事業担当者として採用されてから、西村さんとスタッフたちは、肉の処理・加工、新製品の試作・試食と働き続けた。

その思いは、「余っている鹿肉をなんとかする」という後ろ向きのものではなく「地元の鹿肉のおいしさを伝えたい。人気の食材にして全国に発信したい」という前向きなものだった。

鹿肉のブランド名は「土佐鹿」と命名された。


商品を試作する中で、県工業技術センター、高知大の人材育成講座「土佐FBC」、あるいは高知市の「すずめ燻製工房」など、さまざまな協力を得て、最初の商品「土佐鹿ソーセージ」4種類が商品化された。

ソーセージにしたのは、地元だけではなく、全国に流通できる商品を考えたためだ。

次に商品化されたのは「土佐鹿吟醸味噌漬け」。
これは地元の婦人グループがつくる手作りみそと、香美市の酒蔵の酒かすに鹿肉を漬け込んだものだ。

また薬草を漬けた保命酒と、7種類のハーブ、スパイスをブレンドした特製のマリネ液に鹿もも肉を浸けこんだ「土佐鹿ロースト」も生まれた。



べふ峡温泉郷だけで食べられる、そんな名物グルメも必要だった。
その役割を担ったのが、2009年4月に誕生した、土佐鹿のハンバーガー「もみじバーガー 喰うしかない」である。
もみじバーガーは直径約7センチで、照り焼きとマヨネーズの2種類の味を用意。
肉は薄味に仕上げ、地元産のトマトやレタスなどと一緒にパンにはさんだ。

この「もみじバーガー」が、おいしいと評判になり、これを目当てにくるお客様も現れるようになった。



そんなとき、2010年春「第1回 土佐食1グランプリ」が開催されるという話が舞い込んだのである。
高知県のB級グルメチャンピオンを決める大会だ。

これは土佐鹿のPRにもなる、そう考え挑戦することが決定した。

もちろん、出品するのは自信の「もみじバーガー」だ。

こうした大会に出場するのは、スタッフ全員初めての経験だった。
テントの張られた会場に、完成品を持ち込み、お客様に次々と手渡していく。
もちろん味には自信があった。

しかし結果は10位以内にも入れず無残にも完敗。

自信があっただけに、その結果は衝撃であった。
「なぜだ」
チームのメンバーは、しばらく精神的に立ち直れない状態だったという。


「第1回 土佐食1グランプリ」の結果は、「土佐鹿」ブランドの評価を下げたわけではない。
地道な商品開発と販売努力で、一定の評価を受けるようになっていた。

2011年3月には旧加工場の2倍の面積の工場も新設された。
日々の仕事に追われる中でも、スタッフたちは「もみじバーガー」で破れた経験を忘れられなかったのである。



2011年春、この年の5月に「第2回土佐食1グランプリ」の開催が決まったと連絡があった。
メンバーは逡巡することなく、全員一致で出場を決めた。
皆「必ずリベンジする」そう考えていたのである。

2010年第1回は、初めての経験で、様々な失敗もあった。
しかし、今度は2度目。
事前の準備や戦略の大切さを思い知ったスタッフたちは、早速メニューの検討会議を開いた。

会議では去年と同じ、「もみじバーガー」でという声もあった。
しかし昨年の大会の経験は大きかった。

会場に完成品を持ち込み販売したのは、演出的に失敗だったかもしれないと皆が思っていたのである。

家に持ち帰る「おみやげ品」として売るなら、完成品を持ち込んでも良い。
しかし、一定の成績を残そうとすれば、お客様にその場で食べてもらわなければならない。
食べてもらうためには「できたて」を演出する必要があるのだ。


では、会場で「もみじバーガー」を作るのか。
「もみじバーガー」は肉を「焼く」のに時間がかかる。
いちいち焼いていたのでは、十分な数をお客様に渡せない。


検討の結果、第2回グランプリにはハンバーガーではなく、2010年11月に温泉で発売したばかりの、土佐鹿ソーセージを使う「シカドッグ」を持ち込むことが決まった。
ソーセージなら、短時間でお客様にお渡しできる。
さらにソーセージを現場で温めるといった演出もできるからだ。


ポイントとなるのはソースだった。
何度も試作を繰り返した特製ソースは、安芸市のトマトやパプリカを刻んで煮詰めて作った。
誰にも、絶対にまねできない味に仕上がった。
自信はあった。



そして運命の2011年5月21日。
「土佐食1グランプリ」の当日。
会場には24のテントが張られ、それぞれのスタッフが食材の準備に忙しく立ち働いている。


そして午前10時。
開場したとたん、家族連れらがどっと会場に流れ込んできた。

お目当てのグルメのある人は、真っ先にそのテントへ向かっていく。
現場へ来て、どれがおいしそうかと、一つ一つのテントをのぞき込んでいく人もいる。

24のテントの前には次々に行列ができていった。

「べふ温泉郷」テントの前にも行列ができる。
450食用意したシカドッグが次々と売れていく。

心配なのは、シカの肉への馴染みのなさだった。
しかし食べてくれる人の表情を見る限り、その心配は杞憂だった。


そんなとき彼らに一つの情報がもたらされた。
なんと昨年の覇者、南国市の「西島トマトカレー」が炊飯器の故障から、スタート早々ご飯が用意できない事態に陥っているというのだ。
一番のライバルと考えていた、西島トマトカレーのトラブル。

しかし、トマトカレーのテントを見たとき、油断はできないと思った。
トマトカレーのスタッフが「ご飯が用意できていません」「30分ほどお待ちください」と声をからしている中、お客様は不満な顔もせず、じっと行列を作り並んでいるのである。
少しぐらいの時間なら待ってでも食べたい。
「西島トマトカレー」は、皆にそう思わせる、土佐B級グルメの王者なのだ。


「べふ温泉郷」スタッフたちは、懸命にお客様にシカドッグを渡し続けた。
そして、この日持ち込んだ450食を完売。


あとは、お客様たちの投票結果を待つだけだった。

何度も試作し、納得できる一品だった。

まわりには「グランプリを取る」と公言してきた。

結果発表まで、きりきりと胃が痛んだ。





●参考 
 第2回 土佐の食1グランプリ in 長宗我部フェス 投票結果(2011年5月21日開催)

 第1位 シカドッグ      346票
 第2位 西島トマトカレー  309票 ※第1回優勝
 第3位 にら塩やきそば   260票

※順位決定は1品購買につき投票用紙1枚を渡す人気投票形式。
 参加ご当地グルメ24種。


<戦評>
前回グランプリを獲得した農事組合法人「西島園芸団地」(南国市)の「西島トマトカレー」は惜しくも2位に。
開始直後、炊飯器の故障でご飯が用意できず30分近く客を待たせるというトラブルに見舞われたが、トマトたっぷりのカレーを求めようと行列が絶えず700食を完売した。
料理の考案に携わった園芸団地職員の野村さんは「最初に出遅れたのが痛かった。今なら銀メダルを取って悔しがるスポーツ選手の気持ちが分かります」と話す。


3位に入賞した「香南にら塩やきそば」は、香南市観光協会が初参加で出品した。
香南市はニラの生産量が全国1位。観光協会と市内16の飲食店などが2010年5月、「にらプロジェクト」をスタート。様々なニラ料理を考案し店で出している。
この日はニラ10キロを使った415食を約4時間で完売。
観光協会の足達事務局長は「売り始めて1周年の記念に入賞できて感謝します。塩やきそばをきっかけに香南市に足を運んでほしい」と笑顔だった。


シカドッグは2010年11月から、べふ峡温泉で400円で販売している。
2011年6月からは高知市内のアンテナショップ「てんこす」でも販売されることが決まった。



高知新聞2011年2月6日
http://www.kochinews.co.jp/09sikokux/09shikoku73.htm

高知新聞2011年5月22日
http://www.kochinews.co.jp/index.htm?&nwSrl=274770&nwIW=1&nwVt=knd

朝日新聞2011年5月23日
http://mytown.asahi.com/areanews/kochi/OSK201105210096.html

高知新聞2011年5月30日
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=275103&nwIW=1&nwVt=knd

朝日新聞2011年5月30日
http://mytown.asahi.com/areanews/kochi/OSK201105290073.html

香美市 べふ峡温泉
http://www.befukyou-onsen.com/

もみじバーガー
http://www.befukyou-onsen.com/ryori.htm

土佐鹿ソーセージ
http://www.kamiichiba.net/SHOP/be011.html

鹿人材育成セミナー
http://hito-chiiki.org/content/view/30/11/

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[ 2011/06/07 00:23 ] B級グルメ | TB(0) | CM(-)
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